講師紹介
講師プロフィール

シャーマン・S・アベ (Sherman S. Abe)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科
GIMV特任教授
ハーバード大学心理学部卒(1966年)、スタンフォード大学経営管理大学院修士課程修了(MBA取得、1981年)。1971年よりメリルリンチ証券ブローカー、81年よりクレディ・スイス・ファースト・ボストン銀行勤務。同社ディレクターとしてニューヨーク、ロンドン、東京事務所に在籍。コーン・フェリーインターナショナル(1994年より)のパートナー兼副社長を務めた後、2000年より一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。2008年よりJAIMS留学プログラム「East-West Knowledge Leaders Program (EWKLP)」の講師に就任。
オーケストラの指揮者のように、皆さんの力を引き出していきたい。

JAIMSでは、ファイナンスに関する
私の実務経験を還元します
私は日系アメリカ人です。父は福島、母は鹿児島生まれ。幼い頃は、家の中で父のズーズー弁と母の九州弁が行き交っていました(笑)。17歳の時に、1カ月間、日本に留学した時から、日本は私にとって第二の故郷になりました。私が暮らしていた南カリフォルニアのサンバーナディノ市と東京都立川市が姉妹都市でしたので、立川高校で学ぶ機会を得たのですが、ホームステイ先の家族の方々も暖かく、初めて訪れた国とは思えないほどリラックスして滞在できたことを覚えています。
そんな日本に対する好印象を胸に、アメリカへ戻った私は、ハーバードで学び、スタンフォードでMBAを取得したのち、およそ25年間にわたるキャリアをファイナンス一筋に積んできました。ニューヨークで、ロンドンで、そして東京でも素晴らしい実務経験を得ることができました。
そして2008年から、友人でもある一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏(JAIMS所長)から要請を受け、JAIMS留学プログラムの1つである「East-West Knowledge Leaders Program (EWKLP)」の講師に就任しました。JAIMSで教壇に立つことは、私にとって大好きな日本とアジアの人たちに、自分が培ってきたナレッジを還元することでもあるのです。

東洋と西洋との違いを知ることに
意義があります
JAIMSで私が受け持っている授業は「Corporate Finance and Capital Markets」で、ファイナンスをテーマにしています。 ファイナンスとは何でしょう?それは、まず貸借対照表に記載されている資産に注目して、その「資産は誰のものなのか」を考えることだと思います。そしてファイナンスとは、ビジネスのパフォーマンスを測定する指標でもあります。そのためには、数値や経営指標をもって会社を評価するスキルを身につけていかなければなりません。
私の授業では、「企業はオーナー(株主)の利益を最大化するためにある」という考えに基づき、例えば、資産構造をデットプロバイダー(銀行等金融機関)という債権の持ち主と、キャピタルプロバイダー(株主等)という2つの面から考えていく授業を行っています。
ここでポイントとしているのが、生徒の大半を占める日本・アジアの皆さんに、私がこれまで仕事をしてきたニューヨークやロンドンといった西洋の視点でのファイナンスをレクチャーすることです。
例えば、日本で、これまで企業に資本を提供するにあたって重要な役割を果たしたのは銀行でした。それに対し、西洋のマーケットでは、株や社債が企業の資本を提供する手段として中心的な役割を担ってきました。
つまり、西洋の企業は、日本とは異なるやり方で資本を調達していることをまず理解していただきたいと思っています。
授業では、講義も行えば、ケーススタディやディスカッション、そして実際に具体的な企業の例をまとめたビデオなども見せていきます。けっして皆さんを飽きさせることはないでしょう。
この授業のスタイルは、私が2000年から教授を務める一橋大学大学院で磨いてきたものでもあります。同大学大学院国際企業戦略研究科長の竹内弘高氏がおっしゃっているように、講師はオーケストラの指揮者のように、生徒の皆さんの意見を引き出す役割を持つものだと考えているからです。
実際、昨年11月の授業の際にも、12カ国から集まった25名の生徒の皆さん全員が、活発に発言し、互いの意見を交換し合い、非常に濃密なものとなりました。

JAIMSは皆さんにとっての
ターニングポイントになるはずです
JAIMSに参加する生徒の皆さんは、国籍もバックグラウンドも異なります。だからこそ、積極的に自分の意見を主張してほしいと思います。
何が正しいか、間違っているか、ひとつの問いに対し、答えはひとつではありません。東と西に、人と人の考え方に、企業経営の姿勢に、資産・資本管理に違いがあるということを知ることに意義があると思います。
JAIMSでは、3カ月という短い期間の中で次代のビジネスリーダーを目指して、さまざまなことを学習できます。普段の生活から離れ、ハワイのホノルル郊外という解放された環境のなかで、あらためて自分を客観視できる素晴らしい機会です。ビジネスに役立つ知識を大いに高めることができ、一生付き合える友人を得られる貴重な機会でもあるでしょう。JAIMSのスタッフのサポートも、非常に温かで素晴らしい。
JAIMSへ留学する皆さんには、モチベーションを強く持ち、授業に参加してほしいと思います。間違ってもいいのです。どんどん自分から発言し、その中から様々なことを経験として学んでいってほしいと思います。リスクを冒して参加する気持ちが大切です。そうすれば、きっとJAIMSが、皆さんのキャリアにとってひとつのターニングポイントとなるはずです。
皆さんとJAIMSで会えることを楽しみにしています。

「ファイナンスとは科学なのか、アートなのか?」。
アベ先生の授業では、哲学的な視点からもファイナンスの本質に迫ります。





