講師紹介
講師プロフィール

Christopher, Smith & Associates LLC 社長
リーダーシップコンサルタント
Larry Smith (ラリー・スミス)
アーカンソー州立大学卒業(1962年)。ハワイ大学にて修士課程修了(1969年)。専門分野は、異文化コミュニケーションとリーダーシップ。1971年からハワイ州イースト・ウエストセンターにて異文化コミュニケーションの研究員を務め、1991年に同センターの研究所所長代行、1993年に教育訓練プログラム学部長に就任。現在では、Christopher, Smith & Associates LLCを経営する傍らリーダーシップコンサルタントとして活躍。JAIMSでは1977年から講師として携わり、現在はEWKLPの「Leadership and Ethics」と事前オプションプログラムICICの「English as an International Language」を担当。
イノベーションを起こせるリーダーになるには、
地球規模で本質を考え抜き、失敗を恐れずあきらめないこと
異文化コミュニケーションの研究を生かし、リーダーの研究へ

私はハワイにあるイースト・ウエストセンターにて、異文化コミュニケーションの研究員として、国、地域、民族、性別、年代、社会、宗教、企業など人々が属する文化によって習慣や価値観、人との接し方に、どのような違い・特徴があるかについて研究をしていました。この研究過程で様々な企業のリーダークラスの方と会い話をしたのですが、人に対するリーダーの振る舞いが実に面白いと感じるようになりました。
リーダーは部下のモチベーションを高めるために、褒めたり、励ましたり、時に叱ったりする訳ですが、そういった振る舞いには、状況により違いがあったからです。これをきっかけに、異文化コミュニケーションに加えリーダーの研究も始めました。
異文化の概念はリーダーの研究にも大きく関わります。年齢、社会的地位によっても文化の違いはありますし、企業、教育機関、軍隊、宗教などもそれぞれ1つの文化を形成しています。一企業の中でも営業・経理・法務・人事・研究開発など職場でも文化は違います。こういった様々な文化の違いがあることを知っておけば、ビジネス上でも、相手の文化を意識し、相手に配慮しながら円滑なコミュニケーションがとれるようになります。異文化を知ることはリーダーにとっても非常に重要なことです。
まずは、自分のリーダースタイルを再発見、再認識してほしい

授業では、まず、リーダーシップの定義について講義をします。リーダーシップについて勘違いしている方が多く見受けられるからです。リーダーシップは人や役職やスキルによって決まるものではありません。リーダーシップとは人に影響を与えるプロセスのことであり、リーダー、フォロワー、状況、目的の4つの要素で構成されます。最初にかなりの時間をかけてこの定義を説明し、リーダーシップが各個人のスタイルではないことをしっかりと理解してもらいます。
次に、自分自身を再認識してもらいます。そのために、沢山の質問を生徒に投げかけます。「自分は誰なのか?リーダーなのかフォロワーなのか?」、「自分はなぜここにいるのか?」、「自分はどこに行こうとしているのか?」 「自分は何を実現したいのか?」、そして「その実現はいつなのか?」といった5つの質問です。これらの質問から、生徒は、周囲の人々、過去、そしてこれから皆で作り上げる未来と自分との関係性を認識します。すると、今まで自分はリーダーには向いていないと思っていた人が、実はリーダーに向いているという結論に至ることもあるのです。
また、ひとにはそれぞれ異なるリーダー、フォロワーのスタイルがあり、それは文化や国籍、そして人の性格が決めるものではないということ、そして状況によって、ひとはリーダーにもフォロワーに成りえ、スタイルも変わることも説明します。例えば、あるプロジェクトの中で、あなたがそのプロジェクトの内容に一番詳しかったとします。その場合、嫌でもあなたがリーダーとなって他のメンバー(フォロワー)を率いていくしかありません。他との関係性の中で自分の得手・不得手を認識し、強化していく点、改善すべき点に気づくことが重要です。
もうひとつ、リーダーシップを学ぶ際に重要なのは倫理観です。ひとは共通善に向かって何をすべきかを考え行動すべきです。しかし状況によって、ひとは誰でも倫理的に問題となる行動をおこすことがあります。あなたもそうなのですよ。ですから、リーダーはフォロワーがどのような状況で倫理的な問題を起こすのかを知っておくことが重要で、問題が起きないように事前に意識しておくことが大事です。逆にフォロワーは、リーダーが倫理的見地からおかしな行動を起こさないように気をつけることも重要です。互いに意識することで、目的達成の前にこのような問題の発生を防ぐことができるのです。
イノベーションを起こすためにリーダーに求められていることは?
世界や地球がどうあるべきかという大きな問いかけからはじめ、本質を見抜くこと

これからリーダーとなっていく方々に伝えたい第一のメッセージは、「起きている物事をよく観察する」ということです。物事の本質を見抜くことが、イノベーションを起こす第一歩になるのです。そして、世界・地球規模でものを捉え、何が問題なのかをよく考えて初めてイノベーションを起こせるのです。これまで私が会った成功したリーダー達もそのようなプロセスを踏んでいました。
第二に、その本質を見抜いたら、失敗を恐れずチャレンジし続けることです。物事の本質的な問題を改善するのはたやすいことではありません。むしろ、多くの困難があるでしょう。それでも、失敗することを恐れず、ゴールに向かっていくことがとても重要です。また、そのようなリーダーの失敗を受け入れ、再チャレンジを促す支援者が周りにいることも大事です。それは、企業の株主かもしれませんし、上司やプロジェクトリーダーかもしれません。こういった人達の支えが、新しいイノベーションを起こす原動力となるのです。
JAIMS設立当初から教えています。JAIMSはとても魅力的な学校です。

実は私は、JAIMSで一番古くから教えている講師です。JAIMSが設立された1972年は、私がまだイースト・ウエストセンターで異文化コミュニケーションの研究に没頭している頃でした。仲の良かった同僚とお世話になっていたハワイ大学のGerald Dykstra教授がJAIMSの講師になったのがきっかけで、JAIMSの存在を知りました。暫くたって、JAIMSの初代所長からJAIMSで教えてみないかと声をかけられました。当時のJAIMSのミッションがユニークで、他の学校にはない日米の異文化を意識している点に惹かれ、他の大学での講義をやめてJAIMSに集中したくらいでした。
JAIMSには、他の学校とは違って、当時から実務経験豊富な優秀なビジネスパーソンが集まっていました。JAIMSで教え始めて約30年が経ちますが、生徒に教えることで私も得るものが多く、現在の生徒は、以前にも増して、社会に貢献することを念頭に置いているひとばかりなのが印象的です。お金稼ぎだけを主眼においた考えでは決してありません。大きな視点でビジネスを展開しようという志の高い生徒が繰り広げる議論は素晴らしいもので、私も講師として教えがいがあります。
JAIMSで学ぶことの魅力
JAIMSには明確な目的があり、その1つが人間性の向上です。これは、他のビジネススクールにはない特徴です。様々な国・業界の出身でしかも社会を良くしようと真剣に考える優秀なクラスメイトから、生徒は大いに刺激を受けるでしょう。クラスは少人数なので、容易にクラスメイトと互いの理解を深めることができます。また3ケ月という短期間にマネジメントのエッセンスを凝縮しているため、プログラムは時にハードです。しかし共に励まし合いながらプログラムを修了した時の達成感はあなたを成長させるだけでなく、クラスメイトとの間に強い絆を生みます。卒業後もずっと仲の良い関係でいれるというのも、今後のあなたの人生にとって貴重な財産になると思います。
ラリー・スミス講師からのメッセージ
Calm and be challenged, calm and be flexible, and calm and reflect on life

仕事は毎日忙しく、ゆっくり考える暇などありません。3ヵ月間職場から離れ、異なる文化を持った人から影響を受けながら、じっくりと人生を見直す機会を自ら作り、これまでを振り返り次に生かしていくことが人生にとってとても大事です。JAIMSでの経験は、あなたの人生にとって重要でかけがえのないものとなるでしょう。







