米国見聞録 JAIMS支援部スタッフ執筆

012.留学時の英語力強化の重要性(2010/3/31)

私は留学を目指す人に会う度に言い続けていることがあります。それは留学するまでに、できる限り英語力を高めておくという事です。留学するにあたって、いくら英語力を強化しても、強化しすぎということはないと思います。むしろ、どんなに強化しても、強化し足りないというのが私の考えです。私はアメリカで3つの学校に行きましたが、卒業するたびに、もう少し英語力が高ければ、もっと色々な事を学ぶ事ができたはずだと感じました。

語学学校時代に上位レベルへ進級した際、私は大学進学コースに進みました。普通のコースは会話力を中心に英語力を強化するのに対して、大学進学コースは読み書きにも力点が置かれ、更に、大学に進学してからペーパーを書くことができるようにと、リサーチペーパー執筆のクラスが必修になっていました。リサーチとは何かを学び、トピックを選定して様々な調査を行い、調査結果を分かりやすく論理的な構成に仕立て上げ、5ページ程度にまとめるという授業です。これが1ヶ月間のプロジェクトでした。

日本の大学時代、レポート提出というと、関連する書籍から情報を集めてきて、表現を変えた程度で提出していた私にとって、リサーチのクラスは相当チャレンジングでした。英語で書かれた書籍から必要な情報を探し、それをパズルのように組み合わせて行くのです。執筆する途中で、どこか情報が不足していると感じる度に、図書館へ戻って更なる情報収集をしました。後半の2週間は毎晩午前1時くらいまで頑張り、何とか完成させることができました。そのお陰で、大学の授業にも付いていけるのではないかという自信にもなりました。しかし大学はこの程度ではないと思っていたので、語学学校を卒業して大学が始まるまでの間にも、英語力の強化に励みました。

大学に入ると、多くのクラスで10~15ページ程度のペーパーが課題として出されました。私の学校は二学期制だったので、各学期が15週間程度で、中間と期末にそれぞれこのような課題が出されます。各学期4クラス履修しているので、2週間に1本書く割合です。しかし提出時期はどのクラスも同じようなタイミングなので、多い時にはこのようなペーパーを3本平行して書くこともありました。また、大学で最後の学期に履修した政治学のクラスは、学期を通して100ページ以上書かなければならなりませんでした。このような状況ですので、10ページ程度のペーパーなら、使える時間は1週間もありません。できれば3日、どんなに遅くとも5日程度で片付けなければ、中間試験や期末試験の勉強ができなくなってしまうのです。丸々3~5日をペーパーに使えれば良いですが、その間も授業がありますので、実際にはそれほど時間がありません。大学では、与えられた課題の趣旨に合う範囲内でトピックを選択し、それについて情報を調べ、調べた内容をペーパーにするので、短期間で書く能力に加えて、情報を調べる能力とそれを総合的にまとめる能力も求められました。

大学院は更に大変でした。教科書を毎日350ページ程度読まなければならず、もし週末に勉強しないのであれば、その分を平日に上乗せして読む必要がありました。私の場合、平日は12時間程度、学校へ行く必要のない週末は15時間程度勉強していたので、1時間に25~30ページ読んでいた計算です。遅いと思うかもしれませんが、物語ならともかく、ディスカッションが中心の大学院の授業で求められるリーディングなので、しっかりと読む必要がありますし、ディスカッション用に様々なメモを取る必要もあります。また辞書に載っていない単語もしばしばありましたので、インターネットがあまり普及していなかった当時は、図書館に行って調べる必要もありました。

課題として与えられるペーパーは、大学よりも更に長く、20~25ページ程度でした。しかしハイレベルな事を学んでいるため、このような長いペーパーを書くことの方が簡単で、実際、このような長いペーパーが課題として出される授業はそれほどありませんでした。多くの授業は、5ページ程度にまとめることが求められ、前提条件を説明する程度の分量に、根拠も含めた論理的な主張を展開しなければならず、非常に苦労しました。どうしても書けず、最初に十数ページのペーパーを書き、削除とブラッシュアップを繰り返して5ページまで削ったこともありました。大学では情報を収集し、それを整理する能力が求められましたが、大学院では自分で仮説を立て、それを論理的な説明に組み上げる能力が求められたので、様々な文献を探したり、仮説に必要なフレームワークを探したりと、膨大な情報を取捨選択する能力と、これらの情報を最低限の分量で論破できる説明にする仕立て上げる能力が求められました。

語学学校を卒業した後も、大学の授業に付いていくためには、更に英語力を高める必要があると思い、勉強を続けました。実際に大学に入ってみると、想像以上に求められるレベルが高く、英語力の不足で苦労しました。大学院へ行く時は、大学に在学した3年間で英語力が更に伸びた事、大学院と共同開催のゼミにも付いていけた事、最後の学期に1クラスで100ページ以上のペーパーを書いた経験からも、何とかなるだろうと思っていました。しかし実際に大学院に進学すると、それでも十分ではありませんでした。授業について行くだけでしたら、必死に勉強すれば何とかなると思います。しかし貴重な留学機会を最大限に活かすためには、少しでも英語力を高めておいた方が良いと思います。英語力が高まれば高まるほど、更に一歩踏み込んだ何かが吸収できるのではないかと思います。

大学で10ページ程度のペーパーを書く際に使った資料
大学で10ページ程度のペーパーを書く際に使った資料

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